40歳を過ぎると、髪の毛が薄くなったりべたついたりして、頭皮の臭いなども気にしている人はいませんか?
そういった方は薄毛対策や頭皮ケアとして、シャンプーから見直そうと思う人が多いかと思います。
しかし、シャンプーといっても種類も多いので、どれを選べばいいのかわからないですよね?
間違ったシャンプーを選ぶと、頭皮トラブルの原因になりかねません。
長年、理容師としてお客さまの頭皮の状態を見てきたりシャンプーをしてきた経験から、シャンプーの種類、洗浄成分について解説します。
ぜひ、自分のお肌や頭皮ケアに合ったシャンプー選びにお役立てください。
シャンプーの種類、洗浄成分とは?
洗浄成分、界面活性剤とは水と油を混ぜ合わせる成分の総称のことです。
シャンプーの成分表を見ると、成分の含有量が多い順に表記されています。
シャンプーの場合、水が1番多いので先に「水」が表記されます。50〜70%が水で、その後に洗浄成分です。洗浄成分が20〜30%ほど。
その後に、その他(香料や防腐剤など)が10〜20%ほどで構成されています。
シャンプーの主な洗浄成分の種類や特徴は、以下のとおりです。
高級アルコール系の洗浄成分
- 洗浄力 強め
- 刺激 強め
高級アルコール系の洗浄成分は、主にラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オレフィン(C14-C16)スルホン酸ナトリウム などがあげられます。
コスパも良く、お手頃な価格のシャンプーには多く使われている洗浄成分です。
高級アルコール系のシャンプーは、洗浄力に優れ刺激も強く、泡立ちも良いのが特徴。
しかし、洗浄力が強いので余分な皮脂までも落としてしまいます。
そういった意味では、頭皮ケアにはおすすめできません。
また、オレフィン(C14-C16)スルホン酸ナトリウム は高級アルコール系の中で低刺激といわれています。
ドラッグストアなどで販売されているシャンプーの多くは、ラウレス硫酸ナトリウムやオレフィン(C14-C16)スルホン酸ナトリウム などの洗浄成分が使用されており、ラウリル硫酸ナトリウムを使用しているシャンプーは見かけなくなっています。
アミノ酸系の洗浄成分
- 洗浄力 やや弱め
- 刺激 弱め
アミノ酸系は後ほど紹介するベタイン系よりも、やや洗浄力もありつつ低刺激です。
健康な髪の毛や頭皮のPH(ペーハー)は、4.5〜6.5の微酸性から弱酸性です。そのため、シャンプー剤も弱酸性のものを選ぶとよいでしょう。
アミノ酸系は、肌とおなじ弱酸性なので、肌にも優しく洗浄力もマイルドなので洗いすぎを防いでくれます。
ただし、強い洗浄成分が入っていないので泡立ちは良くありません。
初めてアミノ酸系のシャンプーを使う人は、泡立ちも良くないので物足りなさを感じてしまうかもしれません。
とくに、男性の方は「泡が立たないと、洗った気がしない!」と、思う人が多いです。
ベタイン系の洗浄成分
- 洗浄力 弱め
- 刺激 弱め
ベタイン系は洗浄力が弱めで低刺激です。
その洗浄力の弱さゆえ、アミノ酸系のシャンプーと混ぜて使用することが多い洗浄成分です。
洗浄力や肌への刺激が少なく、ベビーシャンプーにも使われています。
洗浄力が弱いため、泡立ちも良くなく脂性の人には不向きです。
石けん系の洗浄成分
- 洗浄力 強め
- 刺激 弱め
石けん系のシャンプーは、添加物が少ないので頭皮への刺激はマイルドなのに洗浄力はあります。皮脂も落とす力はやや強めです。
皮脂の分泌が多い人にもスッキリ洗えます。しかし、洗浄力が強いため皮脂も落としやすい分、頭皮の乾燥に注意が必要です。
また、洗い上がりに石けんシャンプー特有のゴワつきがあります。
ゴワつきの原因は、石けんはアルカリ性のため水道水のカルシウムイオンと結合して金属石けん(石けんカス)が出てしまうからです。
ゴワつきをおさえるためには、洗ったあと必ずリンスを使うようにしてください。
また、リンスはアルカリに傾いた肌を弱酸性に戻す役割りもあります。
とくに、固形の無添加石けんなどはリンスが必要です。
固形の無添加石けんの場合は、クエン酸を使ってリンスを作る方法があります。クエン酸リンスの作り方は、いたって簡単。
500mlのペットボトルに水を入れます。ペットボトルの中に、大さじ1杯分の食品添加物用のクエン酸を入れてシェイクするだけです。
作ったクエン酸リンスは、冷蔵庫に保管すると1週間は持ちます。
シャンプーも頭皮に合わないとトラブルの原因になる
冒頭でもお伝えしたように、シャンプーの洗浄成分には特徴があります。
それぞれ、洗浄力の強さや頭皮に対しての刺激もさまざまです。
まずは、自分の頭皮の状態を知る必要があります。
自分の頭皮は脂性肌なのか乾燥肌なのか、それに応じてシャンプーを選びます。
例えば、乾燥肌なのに洗浄力が強いシャンプーを選ぶと、余分な皮脂までも落としてしまい、よけいに悪化してしまいます。
逆に、脂性肌なのに洗浄力が弱いシャンプーを使ってしまうと皮脂が落ちきれずにべたつきも残ってしまい、頭皮環境は悪化してしまいます。
間違ったシャンプーを選ぶと頭皮環境の悪化につながる可能があるのです。
余談ですが、以前、勤めていた理容店のスタッフが、今まで長年使用していた弱酸性のシャンプーから石けんシャンプーに変えたことがありました。
しばらく、石けんシャンプーを使い続けていると、髪の毛がどんどん細くなっていったのです。
それから、慌てて元のシャンプーに戻すと、元の状態に戻ったということがありました。
この出来事を見て、「シャンプーを変えただけで、髪の毛に悪影響をあたえる」ということを学びました。
このスタッフは、敏感肌ということもありこういった状況になったのですが、シャンプーも肌によって合う合わないがあるので慎重に選ぶようにすべしだと思いました。
そういったことから、シャンプー選びは自分の頭皮の状態や目的にあった洗浄成分を選ぶことがとても重要です。
薄毛対策や頭皮ケアにおすすめの洗浄成分は?
こちらでは、薄毛対策や頭皮ケアに合ったシャンプーについてご説明します。
薄毛対策や頭皮ケアにおすすめの洗浄成分は、アミノ酸系のシャンプーです。
多くの人は、ドラッグストアなどで多く見られる高級アルコール系のシャンプーを使っていると思います。
実際、高級アルコール系のシャンプーは、値段もお手頃で泡立ちも良いので使う人も多いです。
しかし、高級アルコール系のシャンプーは、洗浄力も強く肌の刺激も強めです。
洗浄力が強いと、余分な皮脂まで洗い流してしまいます。
とくに、乾燥肌や敏感肌の人には不向きです。そういった意味では、薄毛対策や頭皮ケアには向いていないといえます。
アミノ酸系のシャンプーは、洗浄力がマイルドなので、皮脂の落としすぎも防いでくれます。
また、健康な髪の毛や頭皮は弱酸性です。そのため、弱酸性のアミノ酸系シャンプーがよいということになります。
アミノ酸系のシャンプーは、肌に対しても低刺激なのでおすすめできるのがポイントです。
頭皮の状態や目的にあった洗浄成分のシャンプーを選ぼう
先ほどもお伝えしたように、頭皮ケアや薄毛対策にはアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。
頭皮ケア用に開発されたアミノ酸系のシャンプーには、育毛成分やフケ止めやグリチルリチン酸ジカリウムなどの有効成分が配合されている薬用シャンプーもあります。※有効成分とは、効果や効能が法律で認められたものです。
また、スカルプ効果も期待できるアミノ酸系のシャンプーもあるので、そういったシャンプーはとくにおすすめです。
わたしも、長年、使っていた石けんシャンプーからアミノ酸系のシャンプーに変えて使っています。
石けんシャンプーを使っているときに、フケや頭皮に湿疹が出だしてから、アミノ酸系のシャンプーに変えました。
アミノ酸系のシャンプーを使っていると、フケや頭皮の湿疹が落ちついてきました。
それから、ずっとアミノ酸系のシャンプーを使っています。
薄毛対策や頭皮ケアを目的としてシャンプーを選ぶのであれば、アミノ酸系のシャンプーを使うことをおすすめします。
まとめ
シャンプーの種類、洗浄成分について説明しました。
シャンプーの洗浄成分には、それぞれ洗浄力や頭皮への刺激などさまざまです。
当店にも、フケ、かゆみや薄毛で悩んでいるお客さまも多いです。
中には、シャンプーの種類が多いので、どれを選べばいいのかわからずに相談されるお客さまもいます。
薄毛対策や頭皮ケアとして使うのならば、アミノ酸系のシャンプーをおすすめします。