「最近、抜け毛が増えてきたな…」と思ったことはないですか?
そして、「うちは薄毛の家系だから、遺伝するからしょうがないか…」と思うこととも。
こちらでは、本当に薄毛は遺伝するのか解説しています。気になる方は参考にしてみてください。
薄毛やハゲと遺伝について
ちまたでは、薄毛やハゲは「遺伝が関係する」という説や「毛穴が詰まってハゲる」という説、「生活習慣の乱れや食生活の乱れ」などいろいろあります。「遺伝」以外は、頭皮ケアや生活習慣や食生活を見直せば改善できる可能性はあります。
しかし、遺伝は生まれたときから受け継いでいるものなのでどうすることもできません。
本当に、薄毛やハゲは遺伝するのでしょうか?
遺伝と男性ホルモンの関係
約70年前にアメリカの解剖学者、J・B・ハミルトンが、「男性型脱毛症の発症が男性ホルモンと遺伝子が関与している」ということを生化学的に実証しました。
男性の場合、子供の頃はヒゲや胸毛は柔らかくて軟毛で目だたないのですが、思春期を過ぎるとヒゲや胸毛は硬くなっていきます。これが、男性ホルモンの働きです。
男性ホルモンは女性にもあるのですが、女性の場合は思春期を過ぎても顔や胸の毛は軟毛のままです。
ただし、陰毛やワキ毛にかぎっては、男女問わず毛が硬くなっていきます。
では、男性ホルモンがどのように薄毛に影響していくのでしょうか?
遺伝と関係している男性ホルモンレセプターとは?
男性ホルモンのひとつであるテストステロンが、還元酵素5α-リダクターゼによってジヒドロテストステロンに変換されることによって男性型脱毛症になるといわれています。
このジヒドロテストステロンが、細胞内の男性ホルモンレセプター(受容体)と結合して生物学的な作用をおこします。
男性ホルモンレセプター(受容体)は毛乳頭細胞にあるのですが、頭部では前頭部、頭頂部、頭部以外では、ヒゲやワキ毛の毛乳頭細胞に男性ホルモンレセプターはあります。
しかし、後頭部の毛乳頭細胞には男性ホルモンレセプターがありません。ハゲても後頭部だけ髪の毛が残るのはそういう理由でもあります。
男性ホルモンの作用は、毛乳頭細胞がターゲットになっています。
男性ホルモンが、ヒゲや胸毛には毛の発育を促し、頭部の前頭部や頭頂部には、発育を抑制するシグナルを出すといわれています。
いわゆる、「ヒゲや胸毛が濃い人は薄毛の人が多い」というのは一理あるのかもしれません。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、遺伝と薄毛の関係しについてお伝えしました。男性型脱毛症は、男性ホルモンと遺伝が関与していることがわかっています。
今では、男性型脱毛症の治療薬もあります。効果も実証されているので、薄毛でお悩みの方はお近くの病院でご相談してみるのもよいかもしれません。